手組ホイール
ここでは一般的に言う手組みホイールについてです。
今は完組(最初から形になっているホイール)と一本ずつスポーク(細い針金)を通して作る、手組みがある。
手組のメリットはスポークが多いため1本1本の調整がしやすく、少々リム(外側にある輪)が曲がっても乗れるまでには修正できることが多いホイールだ。
初めて乗る方は段差などで壊すことも多く、最初の1本は手組みを使うことが多くなる。
まずスポークをハブに通していきます。
スポークの太さは番手で表示してあり、番手が少ないほど太くなる。14番の方が15番より太くなる。実際1番というものは見たことがないが、最初の番手なので多分実在するのではないかと思う。
スポーク太さはリムの強度と重要な関係があり、リムが丈夫なほど丈夫なスポークが必要になってくる。これはどちらかが弱いと特にスポークが弱いと折れの原因になったり、腰が無い車輪が出来上がってしまう。
リムもハードアルマイト処理のものは強度があり、実際のレースで穴などの衝撃にはずっと強くなってくる。
穴数は多いほど強度があるが、その分重くなるのとスポークの方が強くなったりで経験ある人に相談するのが一番良いと思う。最近の完組は穴数が少ないように思われがちだが、実際は24本くらいなので軽量に組んだ28Hとはあまり変わりが無い。
組み方は各社色々言っているがベルエキップでの組み方はいわゆる逆イタリアンでこれは経験上折れにくい組み方でもある。
今だから言えるがイタリアン組は強度は高いのだがフリーのスポーク側が折れやすく、テンションのかかっている方が折れると走行不能になるという弱点がある。
一方逆イタリアンはフリーの反対側が緩むという弱点があり、時々チェックが必要となるが大きなトラブルには発展しない。
これはスイスにチームにいた時、全てのホイールを管理していたので色々と試した結果といえる。
組み方を決めたら組んでいく。おおよそ組みあがったらテンションをかけてこの時点である程度調整する。あまり張った後だと、リムに負担がかかり、調整がしにくくなる。
その後主に縦ぶれを取ってスポークを強制的に伸ばす作業を入れる。
これをやらないホイールはスポークが伸びやすく、だんだんセンターが右に寄ってくる。いくら完成時にセンターが出ていてもアッというまに変わるから金属は延びるという事を実感する。
その後縦ふれを取り、テンションを見ながら横ぶれを取る。
エンドはテンションメータは一切使わない。
理由は
クロスしているスポークは1本テンションを上げると隣のスポークのテンションも上がってしまう。
引っ張り側は緩くしておかないとブレーキ時に折れる時がある。
リムの真円度が均一でないのでテンションを均一にしても触れが取れない。
数字は大事だが、リム、ハブによって適正な硬さが出てくる。
その後数回馴染ませて完成となる。
ホイールは乗る人の体重、足の力、走る場所などでかなり変化するが、練習用に限っていえば丈夫な固めのホイールが一番良いと思う。
良いリムというのは最近少なくなった感があるが、穴に落ちても横に広がらないマヴィックのパリルーべなどは素晴らしかった。なぜこのリムが人気があったかというと、高速での安定性、穴などで落ちたときでもそのまま使える。幅が広く乗り心地が良いといったことではないだろうか。
ホイールの振れの精度で色々語る人もいるが、多少の振れはあってもスポークが均一で丈夫なら問題ないというのがエンドの考えだ。そして丈夫でメンテがしやすいことに尽きると思う。